9月の着物*文楽鑑賞

3連休の最終日は国立小劇場(半蔵門)にて文楽鑑賞してまいりました。

演目は「菅原伝授手習鑑(すがわら・じゅんじゅ・てならいかがみ)」。

文楽の公演を観にいくのはおよそ1年ぶりというのもあり、ちょっと緊張。初めての演目、予習してないしついていけるかしら。。。なんていう不安も若干。

でもそれは取り越し苦労でした。毎度の事ながらイヤホンガイドの絶妙な間合いの解説に助けられ、4時間半という長時間ながら鑑賞できました。
(駆け落ち・裏切り・人斬り・親子の別れ・・とまぁてんこ盛りでした)

せっかくだからと今回はおめかししてお出かけ。
祖母の単衣の着物に帯、母親の帯留、半襟は自分のもの・・と一家所有総出で^^;
履物とお揃いのバッグは小さすぎてケータイも入らないので、
かごに葡萄の手ぬぐいで”夏から秋へ”を表現してみました。

着物は今年は初めてですが、いやはや慣れない分やはり疲れました。。
でも普段以上に姿勢や歩き方を気にするのは、なかなか刺激になって良いかも☆

もう少し涼しくなれば今度は袷の着物が出番。
秋深しが待ち遠しいです。

ムットーニのからくり書物 @世田谷文学館

友達のお誘いで世田谷文学館に行ってきました。
ムットーニのからくり書物」展示が本日まで。

”ムットーニ”さんの名前は渋谷PARCOでの展示会でお見かけしたことはありつつ、初めはてっきり外国の方かと・・・ご本人はムットーニこと”武藤”さんなのでした。

でも今回作品を観て、「ムットーニ」というお名前は作品にマッチしてると思いました。
幻想的な世界観は、どこかヨーロッパ、しかも中欧あたりのすこしくすんだ感じを連想させます。
暗闇と光のコントラストといい、灯りの温度感といい、じーっとみているとなんとなく以前観たカレル・ゼマンの作品を思い出しました。

”からくり書物”という言葉のとおり、その小さな装置たちは、それぞれひとつの物語や世界観を表していて、小さな世界にとても大きな広がりを感じたのでした。小宇宙のような。
うーん、つい自分の部屋にもどれか欲しいな!と思ってしまいます。
(そのためにはそれに見合う広さと、洋風インテリアが必要だけど。。)

小説をモチーフにした作品もいくつかあって
海野十三「月世界探検記」の光のまばゆさと
夏目漱石「夢十夜」を原作にした「漂流者」の深く沈んでゆく気配のようなもの、が
特に印象的。
私は原作読んだことないけど、読んで知っているとまたより深く味わえるんだろうなぁ。
読んでみたくなりました。

「月世界探検記」の方は常設展示なので、別の機会でここを訪れた際に
また観たいなと思います。

館内にある喫茶室でひと休み。企画展にちなんで「ムットーニ・オレ」なるものが。カフェオレと金平糖のセットなのだけど、金平糖ってほんとに久々に口にする。懐かしいような新鮮なような。
ちなみに金平糖は企画展に展示されてた「道しるべの金平糖が導く8つのシーン」という作品にちなんでるのかなと予想。この作品もとても素敵だった。「覗く」楽しみがふんだん。

参考URL:
ムットーニのからくり書物 公式ブログ
ムットーニ オフィシャルウェブサイト
世田谷文学館

東京空中散歩。

上野から帰宅途中、六本木ヒルズに立ち寄り。
前からチケット買ってた「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」が本日までだったので。

森美術館の入場券には展望台の入場も含まれるらしく、
展示を見た後、展望台の方にも寄ってみました。

これがなかなかの眺め!


だてに52階にあるわけじゃありません、周りのビル群をも見下ろせる高さ。

なんだか普段見上げるイメージが強いから変な感覚。

祝日の昼下がりといえば人もかなり混み合いそうなのに、実際はほどほどに。
ぐるりとほぼ1周ある展望台には円周に沿ってベンチやソファが置いてあるので
座ってひたすらボーっとも出来ちゃいます。
これ以外と穴場なのかも。。むしろ夜の方が混んでるのかな。

東京の空がはるか彼方まで見えるなんて・・日常ではありえない景色。
何か煮詰まったとき、ここで空中散歩の気分を味わうのも良いかもしれない。

月を観ている 月が観ている ~奈良・唐招提寺


3連休を利用しての奈良の旅。 着いて早々、夜の唐招提寺(とうしょうだいじ)へ。

6日は中秋の名月。
普段は夕方5時に閉まってしまうお寺さんでも、
この日は観月讃仏会で夜まで空けてくれてるのです。

お天気は曇り。境内を一巡して御影堂に入ると
色鮮やかな障壁画がほのかな明かりに照らされて
不思議な青緑色を放っていました。それは見たことのない発色で。
東山魁夷が鑑真和上のために描いたといいます。

御影堂内には30人くらいの人たちがいたでしょうか。
私と友人が軒下に座って休んでいると、突然「わーっ」と歓声が。拍手も聞こえます。
皆が空を見上げていました。 私たちもつられて見上げます。

すると、厚い雲に覆われていた月がうっすらとその姿を現しました。
霞がかった雲は、流れの速い風でどんどん流れていき
やがて月がそのまんまるな形を、私たちの目の前にみせてくれたのでした。

満月の光って、こんなに明るかったんだ。

単純に、そのことがとても驚きでした。
夜空の闇が濃いからこそ、あれだけの光を放つのかもしれません。

ただその場に立ち、ずっと月を観ていました。
どのくらい観ていたのでしょう、ふと振り返ると、
まだその場に居る人たち全てが月を見上げていました。
ご婦人も、おじさまも、スーツ姿の青年も、小学生の男の子も、お坊さんも。
みんなの顔が月明かりに照らされています。

そのとき強烈に感じたこと。あぁ、これってずっと変わらないんだなぁと。
昔も今も、いつの時代も、人は月を見上げてきた。

そう強く実感したとき、ふと奈良時代と今この時が通じたような感覚になりました。

御影堂の瓦屋根越しに観た満月は脳裏にくっきり焼き付けてきました。

裏山のバラ。

我が家の裏山には生田緑地なるものがあります。
その中の一角、ばら苑をば初散策。

連日の雨で花びらにも痛みがみられましたが
満開に、元気に咲いてましたよ。


それにしても辺り一帯森林。つくづくこの地域って
山きり崩して成り立ってるんだなぁと。
普段の通勤路では感じないけど、徒歩10分でこの景色です。

初めての人形浄瑠璃

和コン会5月の企画で国立劇場にて人形浄瑠璃を観劇。

今回の演目「義経千本桜」「生写朝顔話」2作品で延べ4時間半の上映!(途中休憩30分)。
映画2本立てだって最近見ないですもんね、えらいボリュームです。

しかも言葉が!独特の言い回し、果たしてストーリーについていけるのだろうか・・
という不安、ありましたありました。
けれど最強の味方がちゃんとスタンバイ。
「イヤホンガイド」のおかげで、物語を楽しむことが出来るようになっていました。
ちゃんと初心者への気配りがあるんですねぇ^^

人形たちの指先にまで伝わる”生きている”感といい、義太夫の語り、
特に恋焦がれる女を演ずる太夫の度迫力の演技っぷりといい、まさしくプロのなせる業。

ピンと張り詰めた空間の中で展開されるドラマ、大どんでん返し・・・めくるめく心地。

初めて足を踏み入れた人形浄瑠璃の世界。
思っていたより敷居は低く、けれども奥深く。

舞台全体の絵画のような美しさにみとれ、どっぷりつかった4時間。
あの異空間はちょっとクセになるかも。

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躑躅 /ツツジの下で

お墓参りの帰りに寄った公園は、躑躅(ツツジ)が満開でした。

私が高校卒業までの18年間住んでいた町。
久しぶりに来たら「つつじの郷」なんて垂れ幕が役所にかかっていて驚き。

この公園で小学校の運動会やったなぁ・・と思い出しつつ、
あの頃よりすっかり整備されてキレイになった園内に感心しつつ。

ツツジの花の下、お弁当を広げるのもこれまた素敵。


花に近づくと不意に甘い匂いが鼻につきます。
そういえば、小学生のときツツジの花の蜜を舐めるのが好きだったなぁ。

あの頃よりすっかり立派になった枝木だけど、匂いは同じで
妙に懐かしさがこみあげたのでした。