「30歳で生まれ変わる本」 安井かずみ

30歳で生まれ変わる本―本当の大人になるために (PHP文庫)
安井 かずみ
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突然ですが、よく自己啓発本を読みます。それでも一時期(数年前)に比べれは減った方だけど、やっぱり精神的に落ち込んだり不安になったりすると手に取ることが増えます。

そこでこの本。タイトルからして単刀直入というか、直球だなーと思いますが
著者が安井かずみさんというので気になって読みはじめたら・・・これまたかなり良かった。
●参考:安井かずみ-wiki

私自身、ちょうどこの時期ひとつの大きな決断をして精神的にも疲弊していたせいもあり
この本の中で安井さんがそれこそストレートに力強い言葉で綴るメッセージが
ズシンと心の中に入ってきました。
私の中で「毒があるほど力強いメッセージ」といえば岡本太郎ですが、
その女性版とも言うべき、力強さを感じさせました。
「ハンサムウーマン」のイメージがピッタリ。親友があの加賀まり子さんというのも合点がいきます。

その力強い言葉の中には、これは!というのがたくさんあり、何箇所もページの折り曲げが
ついてますが、その中でも「私が考えていたことはまさにこれ!」と思った部分を紹介。
それは「感動する」ということについて。

『感動するにはよき知識が大前提である。それが何だか解らなければ心も動かないのである。
根深い執着心で、それは”何”だろうと学習し、憧れ続け、
やむにやまれぬ思いで、それと対面した時、どーっと感動が押し寄せるのだ。
感動するということは知的行動である。だから感情的とはまったく違うのだ。
そんなお涙頂戴的なことではない。

感動とは自分の内にある星と、その対象物が放射する星が、すごい光を持って正面衝突することなのだ。
だから、自分の内に星がなければ、対象物がいくら光を放射しても、衝突しようがないではないか。
感動は一方的にもらえるものではないのだ。自分の方は無関心で、無知で興味がなければ先方がいくら素晴らしくとも、すれ違いが起きるだけである、残念であるが人生はつまらないものになろう。
感動を求めない人に感動はこない。』

私が情報を求めるのは、そこから知識を得て、最終的には「自分が感動したい」からだということが、この文章を読んで実感できたのだった。
”すごい光を持って正面衝突”・・・うん、納得。

もうひとつご紹介。女性の年代期を表すとこのようになるとのこと。

『十代は夢を見て、二十代は自由奔放し、
三十代はセクシーで、
四十代はインテリジェントで、
五十代はスポーティで、
六十代はエレガントで、
七十代はヘルシーで、八十代は存在そのものがご立派』

そのあと、「だから30代こそ女はセクシーでなければならない」と続けている。
ふむふむ。セクシーといっても外見のわかりやすいセクシーさのことではないのですよ。
つまりはしっかりとした一人の女性としての存在感とセンス、というのが
ますます大事になってくるってことなんだろうなぁ。

私ももうすぐ30代の入口。安井さんのように確固とした自分を持ちつつ
ステキな女性になれるよう、精進いたします。

「オぉジョオします」 鴨居まさね

オぉジョオします (クイーンズコミックス) オぉジョオします (クイーンズコミックス)
鴨居 まさね

集英社 2006-03-17

Amazonで詳しく見る

これは大当たり。
そうよ、これこれこの感覚。うれしかったりちょっと切なかったり、
人生まんざらでもないなと思ったり。

短編集の主人公はみな20代後半から30代というのも、ちょうど私とかぶるから
なおさら共感度が上がるのかも。
それにしても、この作品は今の私にとって”しっくりくる”んです。

収録作品は、
「オぉジョオします」「地に足がついてしまう」「蕾また蕾」
「ぜんぶ糸のせい」「手袋を脱いでスタート」の5編。
どれもステキでじわじわきます。

「オぉジョオします」の主人公の旦那さんの健気さや
「手袋を脱いでスタート」の主人公が遠慮して言えなかったことをダンナさんに伝えるシーンは
キュンとします。「夫婦」というのもいいものだなぁと。

TSUTAYAでレンタル読みしたけど、これは「買い」だなと思いました。
手元においてまた読み返したくなるはずだから。常備薬のような存在になりそう。

鴨居まさねさんの作品はここ2ヶ月の間になんとなくTSUTAYAで借りてみて
読んだらどれも良くて。ちびりちびりとお酒を味わうがごとく、少しずつ読んでます。

そうそう、鴨居さんご本人のblogがあることを今日知りました。スバラシイ。
http://kamo.typepad.jp/blog/

雨の日はテレサ・テン

B00005FOTJ スーパーセレクション
テレサ・テン
ニュートーラス 1995-06-07

先々週放送していた「テレサ・テン物語」をうっかり見逃してしまったので、せめてもと追悼盤を聴いています。

今朝のようなしとしと降る雨の日には、なんとも心に沁みます。。

子供のころ、母親がよく着替えのときに口ずさんでいたテレサ・テン。
「別れの予感」とか「「愛人」とか、小学生の私にはその歌詞の重みはよくわからなかったけど
メロディが覚えやすく、いつの間にか私も口ずさむように。

久々にテレサ・テンの歌を聴いていると、改めて「日本語」の響きの美しさを感じます。
しっとりと艶やかな歌声。梅雨の時期を少しセンチメンタルなものに変えてくれそうな気がします。

ムットーニのからくり書物 @世田谷文学館

友達のお誘いで世田谷文学館に行ってきました。
ムットーニのからくり書物」展示が本日まで。

”ムットーニ”さんの名前は渋谷PARCOでの展示会でお見かけしたことはありつつ、初めはてっきり外国の方かと・・・ご本人はムットーニこと”武藤”さんなのでした。

でも今回作品を観て、「ムットーニ」というお名前は作品にマッチしてると思いました。
幻想的な世界観は、どこかヨーロッパ、しかも中欧あたりのすこしくすんだ感じを連想させます。
暗闇と光のコントラストといい、灯りの温度感といい、じーっとみているとなんとなく以前観たカレル・ゼマンの作品を思い出しました。

”からくり書物”という言葉のとおり、その小さな装置たちは、それぞれひとつの物語や世界観を表していて、小さな世界にとても大きな広がりを感じたのでした。小宇宙のような。
うーん、つい自分の部屋にもどれか欲しいな!と思ってしまいます。
(そのためにはそれに見合う広さと、洋風インテリアが必要だけど。。)

小説をモチーフにした作品もいくつかあって
海野十三「月世界探検記」の光のまばゆさと
夏目漱石「夢十夜」を原作にした「漂流者」の深く沈んでゆく気配のようなもの、が
特に印象的。
私は原作読んだことないけど、読んで知っているとまたより深く味わえるんだろうなぁ。
読んでみたくなりました。

「月世界探検記」の方は常設展示なので、別の機会でここを訪れた際に
また観たいなと思います。

館内にある喫茶室でひと休み。企画展にちなんで「ムットーニ・オレ」なるものが。カフェオレと金平糖のセットなのだけど、金平糖ってほんとに久々に口にする。懐かしいような新鮮なような。
ちなみに金平糖は企画展に展示されてた「道しるべの金平糖が導く8つのシーン」という作品にちなんでるのかなと予想。この作品もとても素敵だった。「覗く」楽しみがふんだん。

参考URL:
ムットーニのからくり書物 公式ブログ
ムットーニ オフィシャルウェブサイト
世田谷文学館

オープンスカイ2.0 | 八谷和彦 @ICC

八谷和彦さんの展示 OpenSky2.0をみに初台にあるICCに行ってきました。

以前書いたことがあるとおり、1年ほど前に学校で先生と生徒という立場で3ヶ月間ご一緒させていただいたことがある八谷さん。私はいまだに八谷先生と呼んでいます。

その八谷先生が今やられているのが、あの「風の谷のナウシカ」に出てくるメーヴェを作っちゃおうというプロジェクト オープンスカイなのです。 “オープンスカイ2.0 | 八谷和彦 @ICC” の続きを読む

「風の歌を聴け」 村上春樹

風の歌を聴け (講談社文庫) 風の歌を聴け (講談社文庫)
村上 春樹

講談社 1982-07

Amazonで詳しく見る

アンチ村上春樹(のつもり)だったんですが。。

やられました。

ずっとプロローグとモノローグを積み重ねていくようで
するすると皮膚に浸透していき

終盤、気づいたら涙で目が潤んでいてびっくりした。

悲しいわけでも切ないわけでもなく、
ただ、自分の奥底に沈んでいて長いこと
取り出されることのなかった感情が不意に
浮上してきた。呼び覚まされる感覚。

「つまり、どこにも行き着けない」
あぁ、やっぱり村上氏はわかっているのだ。

日本の表現力 @ 新国立美術館

今月21日からオープンになった
新国立美術館(六本木)へ。
文化庁メディア芸術祭の企画展
「日本の表現力」が会期中なのです。

毎年やってるメディア芸術祭の
10周年企画ということで、
「これまでの日本のコンテンツの有名どころ、
みーんな持ってきたよん」
と言わんばかりの盛りだくさんさ。

アート/エンタ/アニメ/マンガ それぞれを年代順に見せていく様は
やはりそれだけでも時代の流れを体感できたりして
なかなか面白かったです。
モノクロのCMは初めてではなかったけど、改めてみると新鮮だったなぁ。
ルル3錠とか江戸むらさきとか。(1950年代制作)

順にみていくと、1970年代のスペースに他以上の人だかりが。
なんでここだけ詰まってるんだろう、と思ったら
「仮面ライダー」と「ゴレンジャー」の映像を見入ってる人たちでした。

やっぱり懐かしさが先行するものなのだなぁ、と。
見に来ている人たちを観察しても、家族ずれだったり、おばあちゃんと孫だったりと
若干普段美術館に来る層とはまた一味違った来場者構成になってた気がする。
そして口々に当時のことを言い合ってるのが、なんだか微笑ましかったり。

作品に関しては年代が現在に近づくにつれて、微笑ましさのようなものから、
ちょっと神経質な感じのものが多く感じられたのは気のせいかな。
たとえば「やわらか戦車」は妙にくせになる面白さがあるのだけど、
諸手をあげて「これ好き!」って言えない何かがあるんですよねぇ。。うまくいえないけど。
シュールさの裏にいろんな意図を汲み取ろうと反射的にしてしまうせいなのか。。

展示3「未来への可能性」はピンとくるものが少なかったけど、
私の好きなGLOBAL BEARINGはやはり結構人が集まってた。


一通りざっとみておよそ50分。
混んでいたわりに疲れなかったのは
全体の会場の広さと休憩スペースが
随所に設けられているおかげ。
青空を見て一呼吸してから帰りました。

会期は2月4日まで。あと1週間!
入場料無料^^

日本の表現力 公式サイト

ビル・ヴィオラ:はつゆめ @森美術館


↑クリックして拡大表示
「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」
もうすでに終わってしまったけど、先週の8日(展示最終日)に
森美術館まで見に行ってきました。(1週間も前のことだけど記録として)

ビデオ・アートだけの展示を観にいくのは初めてだったけど、
なかなか新鮮でした。

全体的に映像をスローモーションにして見せるものが多く、
なかには1分の撮影映像を、80分に引き伸ばして見せるという作品もあり。
いったい1コマどれくらいひきのばしてるんだろ。。私には計算できませんが><

じーっと目を凝らして見ないと、そのわずかな動きの変化も読み取れない作品も
あったりして、これはえらく観る側に拘束を強いるんだなぁと思ったり。
ぴんと来ないものは勇気を持ってスキップする必要があるということに途中で気づきました。

印象に残ったのは入ってまず最初にあった展示「クロッシング」。
とりあえず度肝抜かれます。気づいたら私口あんぐり状態でしたから。


「ドロローサ」(「悲しみ」の意)は、フォトスタンドのような向かい合わせの液晶モニターに映る
男女の作品。
実物はこんな感じ→ドロローサ
感情の波動のようなものがじわじわと伝わってくる、呼吸する絵画のような作品。
ちょっと家に欲しいかもと思いました。

「ラフト/漂流」は何の接点もない19人の男女に、いきなり大量の水が襲い掛かるというもの。
そのとき人はどうなるのか。
これもやっぱりスローモーションなのだけど、メッセージとしてはわかりやすかった。

ビル・ヴィオラ氏のコメントはこう↓。
「我々の生活をコントロールし悪影響を及ぼす見えない力に対する戦い」とヴィオラはこの作品を説明します。「私には最終的には一人の犠牲者も出ないということがわかっていました。我々の人生がいかに困難で悲劇的であろうと、人間は生き延び進み続ける道をいつも見い出すことを、私は固く信じているのです。」

そしてチラシやウェブでも表紙として使われている「《ミレニアムの5天使》」。
5つのスクリーンから各々天使が登場するのだけど、いったいいつ出てくるのかわからない。
その突如の出現を観る側は暗闇の中息を潜めて待つわけです。
「旅立つ天使」(この記事のトップにある写真)は得もいわれぬ幻想美で、
ビデオ・アートの本質をみた気がしました。
ほんとこれだけでも観にいったかいがあったというもの。

東京は終わってしまったけど、このあと兵庫に巡回するそうなので
お近くの方にはおすすめ。

ビル・ヴィオラ:はつゆめ展
参考になる解説:日刊デジクリ

東京空中散歩。

上野から帰宅途中、六本木ヒルズに立ち寄り。
前からチケット買ってた「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」が本日までだったので。

森美術館の入場券には展望台の入場も含まれるらしく、
展示を見た後、展望台の方にも寄ってみました。

これがなかなかの眺め!


だてに52階にあるわけじゃありません、周りのビル群をも見下ろせる高さ。

なんだか普段見上げるイメージが強いから変な感覚。

祝日の昼下がりといえば人もかなり混み合いそうなのに、実際はほどほどに。
ぐるりとほぼ1周ある展望台には円周に沿ってベンチやソファが置いてあるので
座ってひたすらボーっとも出来ちゃいます。
これ以外と穴場なのかも。。むしろ夜の方が混んでるのかな。

東京の空がはるか彼方まで見えるなんて・・日常ではありえない景色。
何か煮詰まったとき、ここで空中散歩の気分を味わうのも良いかもしれない。

江戸の誘惑

久々に和モノに触れてきました。
江戸東京博物館(両国)の企画展
江戸の誘惑」

最終日ということで「20分待ち」の札が出るほどの盛況ぶり。
あまり前情報仕入れずに出かけたのですが、いやーこれは良かった!!!
浮世絵とか美人画って全く詳しくないけど、単純にその色彩感覚に驚いてしまいました。
「やっぱり昔から日本人ってセンスよかったのね!」と妙に感激してしまったり。

また実物で観るとWEB上でみるのとやっぱり違って、
発色の綺麗さにビックリ。
1世紀もよくご無事で。。と声をかけたくなりました。

音声ガイドを利用。解説があの柳家花禄さんで、
落語家さん独特の味な語り口がまた好ましく。
落語の作品と、浮世絵の描かれた時代を絡ませた語りは
私を現代からふと江戸の世界に引き込んでくれました。

当時の遊女は、みんなの羨望の的だった。
最先端の衣装(着物)を身にまとい、簪などで粋にきめたヘアスタイル。
そして当代の絵描きは、彼女達をこぞって描いた。
その描かれた絵を庶民は一目見ることを望み、描かれた遊女の姿を
みて、今何が美しいとされているかをつかんだ。

・・これって、今でいうファッションモデルだ。
なるほど。そう思うと、俄然浮世絵に親しみが湧いてきました。
私も江戸庶民の目になって観ていた気がします。

またちょうど仕事でデザイン案を練ってたこともあり、
ついつい色使いにヒントを得ようとしている自分もいたり^^;

お気に入りは歌川豊春「雪月花図」「向島行楽図」
喜多川歌麿「三味線を弾く美人図
北斎の「鏡面美人図

・・と書いてて、「雪月花図」がネット上に画像ないこと発覚。
やっぱり図録買っとくんだった。。orz

なにはともあれ、浮世絵との距離が近くなったことが嬉しく。
行ってみるものです♪