昨年のデビュー曲「てろてろ」で衝撃の出会いをして以来、
ずっとずっと生で聴いてみたかった、矢野絢子。
高知が産んだ小さな巨人。
念願のライブ、初体験です。
青山のこじんまりとしたライブハウス 月見君想にて。
会場は2階席まで満杯。一人出来ている人が男女とも結構多い。
矢野絢子は普段、彼女の故郷 高知のライブハウス 歌小屋で
活動しているけど、今日は高知からひとりでやってきたと言っていた。
実際バンドもなく、舞台には吊り下げられた満月と、ピアノと彼女。
そして観客。とてもとてもシンプル。
生で聴いて、改めて矢野絢子の声の力強さに圧倒させられた。
少年合唱を思い起こさせるような硬質でまっすぐな声。
よく通るけど、それ以上に体全部を使って搾り出すような、
生の叫びのような声。
2時間彼女はひたすら精一杯歌った。
ずっとピアノを弾きながら。
そして私は結局始まりから終わりまで、MC以外ほとんど
涙を流しながら、彼女の歌を聴いていた。
皆で聴いてハッピーな気持ちになれるような曲では決してないけど、
ひとり聴くことで、癒される。暗い情熱のようなもの。
矢野絢子自身、歌うことで救われているかのような。
彼女の歌を愛する人たちは、彼女自身の歌うことに対する姿勢を見ることで、
何かを気づかされたり、救われた気持ちになるのかもしれない。
私も含めて。
彼女を日常的に包んでいる自然を描写した歌詞。
彼女の歌を聞きながら、高知の空や海や大地を想像してみる。
私も薄紫に広がる空に包まれてみたいなと思った。
いつか彼女のホームグラウンド 高知の歌小屋でもう一度聴いてみたい、
そんなことを思いつつ、満月のライブハウスをあとにしました。