山口絵理子さんのこと。(TV「情熱大陸」を観て)

昨晩何気なくテレビをつけたら「情熱大陸」が始まったところだった。

テレビから映し出されるそこはバングラデッシュ。
「あれ、延長でまだうるるんやってるのかな」と思ったのもつかの間、
今回の主人公 バッグデザイナー 山口絵理子さんが生産の拠点としている場所だった。

最初はふむふむ、すごいなー、こんなところでビジネスを立ち上げた人がいるんだー
と感心しながら観ていた。
途中で愕然とした。
山口さんが私よりいくつも年下だったから。なんと26歳。

容姿だって華奢な色白の可愛らしい女性だ。
学生といっても十分通用すると思う。
でも山口さんを映し出す映像からひしひしと伝わるのは、
彼女のバングラデッシュでのビジネスに対する熱意だった。
経済的に自立することでこの国は変わるはず、という思い。

初めはひとりで工場にデッサン片手に乗り込んだという。
それから数年、ブランドを立ち上げ現在も日本とバングラデッシュで奮闘中。
何度も泣いたという。ひどい目にだって嫌というほど遭っているはずだ。
つい自分の留学時代の頃を照らし合わせてしまう。お気楽な学生身分だった私とは
到底比べ物にはならない。それでも日本で当たり前のことが
別の地では全くまかり通らないことに対するショックや憤り、人道的におかしいと
憤慨してみても郷に入っては郷に従えとばかりに現実が存在するということ。
きっと何度も何度も嫌気がさしたり凹んだこともあったと思うのだ。

それでも、挫けても倒れてもまた立ち上がって前へ、歩き続けてきた山口さん。
彼女の横顔や後姿にしなやかな強さを感じて、
そして、観終わった後もしばらく頭がボーっとしていた。
ガツンと後ろから殴られたようだった。

日々のささいなこと、それも自分に対することばかりに意識がいきがちだったことに
気づかされた。もっと、もっとすべきことはあるし、考えるべきことも知るべきこともある。
いや、「べき」というのも少し違うかもしれない。
私ももっとやりたい、・・・・けど何を??

職場で、帰り道の表参道の交差点で、立ち止まってはみたけれど
そう簡単に答えは出ないかもしれない。
山口さんのように熱意と行動力、そして何より倒れてもまた立ち上がって歩み続ける強さを
私は持てるのかもわからない。
でもこれだけは言える。少なくともこの番組を観て山口絵理子さんを知ることが出来たことは
私にとって影響が大きかったということ。今すぐではなくても目に見えなくても、
きっと私だけでなく多くの人に影響を与えているのだということ。

彼女のような哲学を持って、世界の人とつながることが出来たら。
それは夢のようなことで果てしないこと、でも夢見て歩む価値があると思う。

情熱大陸バックナンバー

【3/28追記】
フジサンケイ・大和證券グループ  女性起業家支援プロジェクト2007で最優秀賞を受賞

【4/23訂正とお詫び】
山口絵理子さんのお名前を絵里子さんと表記していました。
訂正してお詫び申し上げます。(上の記事は訂正しています)